おおよその食物の体内経過と食中毒の原因菌との関係 [食の安全、安心]
おおよその食物を食べてから排泄までの体内経過時間と症状による食中毒の関係を簡単にまとめました。
これからだんだんと気温が上昇してくるにつれて食中毒の発生は増加してきます。
また、季節の変わり目はどうしても体調を崩しがちですので、予めこのようなことも知っておいてください!
【食物の体内移動】
口→食道→(10秒~1分;液体は1~10秒)→胃→(5分~6時間;液体は1~5分)
→十二指腸・空腸・回腸・盲腸→(4~15時間)→上行結腸・横行結腸・下行結腸
→(12~24時間)→S状結腸・直腸→(24~72時間)→肛門
*十二指腸で肝臓、膵臓から消化液が供給されます
*十二指腸から以降が小腸で、ここで吸収が行われます
*盲腸を過ぎたところからが大腸で、水や電解質の吸収がされます。
【食物摂取と食中毒症状】
① 摂食直後
単純な嘔吐回数的に1回程度、摂食直後の場合は、食道の狭窄部を通りきれない大きさであったり、胃酸過多などの影響。体調不調、睡眠不足、ストレス、妊娠、便秘などの場合も発生。神経症状がある場合は、重篤な疾病の前兆としても考えられる
②摂食短時間後
黄色ブドウ球菌・セレウス嘔吐型(2~6時間)食品中で増殖して、毒素を産生するため発症が早い。そのため、「嘔気・嘔吐」が主症状。摂食後3時間程度で回数的に2~3回以上の場合は疑う必要がある
③摂食半日~1日
腸炎ビブリオ・セレウス下痢型ウェルシュ・EPEC・ETEC・EIEC・エロモナス(8~24時間)腸管内に入って上皮細胞に影響したり、毒素を産生して作用する。胃酸はpH1~2のため、胃の中では増殖できないし、多くは殺菌される。従って腸に移動後、残留したものが増殖するため時間が必要となる。摂食後3~4時間以内に下痢が発症すれば別な要因を疑う必要がある。④摂食約1日以降
サルモネラ・ボツリヌス・EHEC・EAggEC・赤痢・コレラ(1~4日)
サルモネラは、増殖スピードが遅いため時間がかかり、ボツリヌスは、一般に腸管内で吸収された毒素が、リンパ、血液等を経由して神経筋接合部で作用するため時間がかかる。EHEC・EAggECは、毒素の性質の違いから、赤痢・コレラも発症機序の関係から遅延。ノロウイルス(1~2日)
小腸上皮細胞内で増殖するが、下痢発生機序は不明
*1日2~3回の下痢は、易学的に食中毒を疑うが、12~24時間以内の摂食物、摂食方法、体 調などと発症している病状やその順番、頻度、内容、量などと合わせて考慮する必要がある。多くの場合、急性胃腸炎、神経性下痢、寒冷性下痢、感冒性下痢、感冒性胃腸炎です。
腸管病原性大腸菌EPEC…
主なO血清型18,26,44,55,86,111,114,119,125,127,128,142,158,166
毒素現性大腸菌ETEC… 主なO血清型4,6,7,8,9,11,15,18,20,25,27,29,63,73,77,78,80,85,114,115,126,
128,139,148,149,153,159,166,169
腸管組織侵入性大腸菌EIEC…
主なO血清型28,29,112,121,124,136,143,144,152,164,167
腸管出血性大腸菌EHEC(VTEC,STEC)…
主なO血清型26,103,111,113,121,128,145,157
腸管凝集付着性大腸菌EAggEC(EAEC)…
主なO血清型15,17,44,127,128,130,134,141
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