人獣共通寄生虫 ３（線虫類）

「寄生虫ダイエット」なるもので使われるのがこれらの寄生虫が多いと思います

前回にも言いましたが、危険極まりない自殺行為です！

絶対に、そういった危険な、自分の身を危険にさらすことはしないようにしてください

それは痩せるのではなく、「やせ衰える」行為なのです！ 

寄生虫 　　　　　　　　分布 　　　　　　　　　　　　　　人での寄生部位 　　　　　　主な症状
ブタ回虫 　　　　　　　野菜類、土壌 　　　　　　　　　腸管 　　　　　　　　　　　　　腹痛
イヌ・ネコ回虫　　　　野菜類、土壌 　　　　　　　　　体内各臓器 　　　　　　　　肝腫大、白血球増大
アライグマ回虫 　　　野菜類、土壌 　　　　　　　　　体内各臓器 　　　　　　　　　神経症状
イヌ鞭虫 　　　　　　　野菜類、土壌 　　　　　　　　　腸管 　　　　　　　　　　　　　下痢、腹痛
ズビニ鉤虫 　　　　　野菜 　　　　　　　　　　　　　　　腸管 　　　　　　　　　貧血、眩暈、息切れ、下痢
イヌ・ネコ鉤虫 　　　　野菜 　　　　　　　　　　　　　　皮膚下 　　　　　　　　　　　皮膚爬行症
東洋毛様線虫 　　　　野菜 　　　　　　　　　　　　　　腸管 　　　　　　　　　　　　　腹痛、下痢
有棘顎口虫 　　　　　淡水魚（雷魚等） 　　　　　　　皮下、稀に各臓器 　移動性腫瘤、皮膚爬行症
剛棘顎口虫 　　　　　淡水魚（ドジョウ等） 　　　　　皮下、稀に各臓器 　　　　皮膚爬行症
日本顎口虫 　　　　　淡水魚（ドジョウ、なまず等） 皮下、稀に各臓器 　　　　皮膚爬行症
ドロレス顎口虫 　　　淡水魚（イワナ、蛇類） 　　　　皮下、稀に各臓器 　　　皮膚爬行症
フィリピン毛細線虫 　ハゼ科の魚類 　　　　　　　　　小腸 　　　　　　　腹水、水様性下痢、体重減少
アニサキス 　　　　　　海産魚（タラ、サバ等） 　　　　胃、腸 　　　　　　　　　　　腹痛、悪寒、嘔吐
シュードテラノバ 　　　海産魚（オヒョウなど） 　　　　　胃 　　　　　　　　　　　　　腹痛、悪寒、嘔吐
旋尾線虫類 　　　　　海産魚（ホタルイカ） 　　　　　皮下、腸 　　　　　　　　　皮膚爬行症、イレウス
旋毛虫 　　　　　　　　ブタ、クマ、ウマ 　　　　　　　　各横紋筋 　　　胃腸障害、悪寒、発熱、筋肉痛
肝毛細線虫 　　　　　げっ歯類 　　　　　　　　　　　　肝臓 　　　　　　　　　　　　肝腫大
広東住血線虫 　　　　カタツムリ、ナメクジ 　　　　　　せき髄、脳 　　　　　　　　髄膜脳炎様症状

 

近年、「有機栽培」の野菜類が増加してきております

一方でペットブームでペットを散歩に連れ出し、中に排泄物をそのままにしていたり

時々、刈り取った後の田んぼで離したり、走らせて糞尿をそのままにしているのを見かけます

多くの方はちゃんと回収されたりしていらっしゃいますが

そういう、不届きな方もペット飼育が増加するとともに増加していることも事実です

このような中で、決して「有機栽培」を否定するものではありませんし、

「農薬」や「化学肥料」を使用しない持続可能な農業を促進し、田畑の持つ役割を総合的に認識する立場であることを前提に

逆にこういった寄生虫によるリスクも背負うことになることも知っておいてください！ 

海産物の方で最も多いものとして「アニサキス」があります 

もし見かけられた方がいらっしゃいましたら「サバ」「サケ」「数の子」など北の方の魚で

白くて細長い虫が「アニサキス」です

【アニサキス症】：激しい腹痛、悪心、嘔吐、時に吐血　、１週間前後で離脱（時に数ヶ月生存）
　　治療は内視鏡による摘出 　予防は－２０℃以下２４時間冷凍、加熱調理、内臓除去と洗浄
　　サケ科（筋肉内が多い） 

基本的な寄生虫の予防　　　　　　　　　　　　

・冷凍･･･家庭の冷凍庫では最低でも２～３日以上
・淡水魚･･･生食をしない、十分な加熱（生焼けにならないように）、調理器具・手等への移染注意
・海水魚･･･生食を避ける、よく見る（除去）、よく噛む、天然より養殖の方が確率低い（餌が違う）
・「ゲテモノ食い」をしない（元々富山県にホタルイカを生食する習慣はなかった）

生食も日本の大切な食文化の一つである。

しかし、それだけのリスクを背負っていることを常に認識し、知識を持つことが最大の制御 

 

 

 

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