有機水銀ー水俣病 [化学物質]
公害の原点といわれる水俣病。公式確認から54年目の5月1日、鳩山由紀夫首相が熊本県水俣市で営まれた水俣病犠牲者慰霊式に出席し、首相として初めて謝罪した。「
かつての村山内閣当時に村山富市首相が「遺憾の意」を表してはいるが…
昭和31年5月1日、チッソ水俣工業付属病院の院長が「原因不明の中枢神経疾患が多発している」と水俣保健所に届けたのが「公式発見」だ。
しかし実を言うとその3年前の1953年12月に第1号患者は出ている
34年、400号と名付けられた猫を使った実験で、水俣病とチッソ水俣工場からの排水との関係を示唆する結果が出ていたが、熊本県も国も水俣湾の漁獲を禁止せず、水俣工場からの排水も止めなかった。
40年6月、新潟・阿賀野川下流に「原因不明の水銀中毒患者がいる」という報告がなされた。「第2の水俣病」の発生だ。公式発見から9年がたっていた。
水銀は近くから逃す噴出等によって無機水銀が放出され、それを環境中の微生物によって「有機水銀(内メチル水銀)」に変えられ、そこから食物連鎖によってプランクトンに始まり大型魚類・水生哺乳類への連鎖が始まっていく
水俣と聞いて今は分かる人が少なくなってきてる
ちょうど私と同い年の年月を経ているため、若い人は全く知らないというのが現実であろう
消費の中心である世代にとっても聞いたことはあっても実感としてはあまりないというのが現実かもしれない
高度成長時代の不の遺産の一つとして既に過去のものになってしまっているのかもしれない
この問題は「チッソ」が排出する有機水銀を含む排水によって人為的に引き起こされたものである
有機水銀は大きくメチル水銀とアリール水銀に分割されるが、アリール水銀は無機水銀と同じような挙動を示し、重大なのはメチル水銀の方である
無機水銀においても中毒症状は現れ、口内炎、胃腸炎、腎障害など、吸入の場合は気管支炎、肺炎などで、急性症状は強い腹痛、悪心、下痢、血便でr慢性になってくると頭痛、眩暈、不眠、記憶障害、神経過敏、不安興奮などの神経症状や震えなどの精神症状が現れる
メチル水銀のような低級アルキル水銀はその比ではなく、初期症状として手足抹消部や口周囲、口唇、舌の痺れ感が現れ、知覚障害、軟調、言語障害などの神経症状がでてくる
体内では分解されにくく、排泄もされにくいため体内蓄積され、脳や腎臓、肝臓に多く分布する
生体内のたんぱく質に恭子の結合を起こしその活性を阻害し、長期間苦しみぬいて死を迎えてしまう
決して食べるなとは言わないが、この水銀がマグロ類などの食物連鎖の頂点に立つ魚類や哺乳類に蓄積していることはご存知の方も多いと思います。
今の段階では安全性にすぐ影響が起こるレベルではありませんが、少なくとも皆さんの体には多かれ少なかれ、水銀が蓄積していることを認識しておいてください!
これは水俣のような人為的な直接的公害問題ではなく、発展途上国からの排水も影響しているものと思われますが、地球からのものです
安全を求めるのは消費者の権利です。
しかし、その消費者が何も知らないようでは安全性の確保は非常に困難です。自らもその食の安全にはかかわっている、自己責任があるということを改めて認識してください!
他人だけの非を責めず、自分の責任も十分に認識した上で食の安全性確保を自らが進めていくことが重要です!
生活環境と化学物質 用語解説―化学物質に目くばり気くばり心くばりのことば集
- 作者:
- 出版社/メーカー: 国際環境専門学校
- 発売日: 2003/03
- メディア: 単行本
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