食品が有害ということ…2 [食の安全、安心]
前回の記事では「食品固有の有害物質」について
記載しましたが
すべて、いわゆる「化学的危害」の内容です
「危害」を想定する時にはこの「化学的危害」と同様に「生物学的危害」「物理的危害」の3つを湯根に想定しておく必要があります
ただ固有の有害性というものについてはほぼ「化学的危害」が中心で、それ以外の危害はそれらに付随して起こりえるものです。
ところで。この有害性をかんがえる時に、想定する毒性について先に記載しておきます
耳されることはよくあると思いますが、それが果たして具体的にどういうものかということを知っておいていただければと思います。
多くは「化学的危害」に対して使用される用語で、
「生物学的危害」などにおいては単純に「中毒」、いわゆる「食中毒」の総称され
「物理学的危害」においては「損傷」「怪我」などの外科的危害が中心です。
①毒性とは
化学物質などが持つ生体に有害な影響を与える性質。毒性があってもその摂取量や同時に摂取した際の食品中の共存物質、摂取方法、同時に接触した物質、摂取した生体の応答力などによってその程度は変わってくるし、無反応な場合もある。
②中毒とは
有害物質等の暴露によって生体に毒性の影響が現れること。食中毒は食中毒菌によって発生する中毒で、「食あたり」は単純な生体の防御機能のため一般に下痢や嘔吐があっても軽症。
③発がん性
生体に悪性腫瘍を誘発させる能力。
④変異原性
突然変異を引き起こす性質。元の生物の遺伝情報が突然変化すること。
⑤慢性毒性
長期間(6ヶ月以上)反復または継続投与して発現する毒性。
⑥亜急性毒性
比較的短期間(1ヶ月から3ヶ月程度)反復または継続投与して発現する毒性
⑦急性毒性
あるものに1回または短期間に複数回暴露した後、直ちに引き起こされる毒性
⑧遺伝毒性
直接または間接的に遺伝子またはDNAに変化を与え、細胞または固体に悪影響をもたらす性質。
⑨催奇形性
妊娠中の母体に化学物質などを投与したときに、胎児に対して形態的及び機能的な悪影響を及ぼすこと。
⑩細胞毒性
その物質を摂取した生物の細胞の染色体の異常や遺伝子の異常等が起こる作用
⑪腫瘍原性
生物にその物質が、DNAに直接作用して腫瘍を誘発したり、代謝物が腫瘍を引き起こす性質。腫瘍そのものはガンとは限らない
⑫免疫毒性
化学物質などの影響により免疫系に悪影響を及ぼすこと。
⑬生殖毒性
親世代の受胎能の障害や母体の妊娠の維持、分娩、授乳、保育の障害など
これら以外に次世代の発生する機能異常を分けて「生殖発生毒性」とするばあいもある
⑭染色体異常
化学物質あるいは放射線等の染色体への影響によって生じる異常な作用
これらについて⑤~⑦は内容を示すものではなく時間経緯によっての区別になります
又、内容的にあまりにも専門的になってしまうとわからなくなりますので、簡単に記載しています
これらの毒性は単純に単発するものもあれば、相乗するもの、また連続するものなどさまざまでそれらのことについても次号以下のブログでご紹介します
また前回に「カドミウム」や「水銀」などの化学物質を加えなかったのは
これらは食品ではないためです。
文章にしていくと長くなりますので
今回は「固有の毒性」についてとそれらの補完飼料としての内容にとどめ
固有の毒性以外の「食品にとって有害なこと」の2番目については次号のブログにゆだねることとします
まずは異常のような用語について少し知識を持っておいてください
生活環境と化学物質 用語解説―化学物質に目くばり気くばり心くばりのことば集
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- 出版社/メーカー: 国際環境専門学校
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