人食いバクテリア [微生物危害]
香港で自宅で魚を扱っている際に人差し指をけがした香港の女性(68)が、いわゆる「人食いバクテリア」に感染し、危篤状態に陥っている。
これの正体はビブリオ属の中でも最も危険とされるビブリオ・ブルニフィカスによるものらしい
ビブリオ属は大きく、胃腸炎型の症状を表す「腸炎ビブリオ」に代表されるものと、これとは別に経口感染・創傷感染をする敗血症型に分かれる
この敗血症型の代表がビブリオ・ブルニフィカスであり、他にも数種類あってA群連鎖球菌敗血症と共に急激に致死性の経過をたどるもので、初期対応の迅速さが求められる
特に肝硬変などの肝疾患を基礎疾患とした感染防御能の低下した患者に危険性が高い
今回この感染者がどうかは分からないが、少なくともお年をめしていることで感染防御能が低下されていることは確かだろう
夏から秋にかけて多く、生ガキの摂食でも起こる
ビブリオ属は海水中に存在し、魚介類について人に運ばれる、海水中の受傷でも侵入する。
今年は海水温が高く彼らにとっては住みやすく増殖しやすい環境にある。15℃までは泥に存在し、それを超えると海水を浮遊し始める
創傷感染の場合は、1週間程度をかけて創傷局所の発赤、腫脹が周辺に広がり、敗血症を起こして死亡する場合がある
経口感染の場合は24時間以内に下肢を中心に多発性転移性の皮膚病変が起こり、発症より48時間以内に半数が死亡している
何れにしても今年は海水温も高く、これから海外に行って海に入ったり、生の魚介類を食べる場合は十分に注意が必要であろう!
なお、ビブリオ属はまみずには弱い性質があります。ただ井戸水では十分に確認できていませんので、水道水で洗浄すれば表面についたものは落とすことができますが、自分の手についたり、まな板、包丁にも付いている可能性があるため要注意です!
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