食が有害であるということ…9 [食の安全、安心]
今まで、基本的な食の有害性についての6つの要素を掲載してきました
1、固有の持つ毒性
2、それぞれの生体の応答力
3.その物質の摂取量
4、その物質の体内での存在形態
5、その物質との共存物質
6、その物質の体内残留性
この6つをごくごく簡単に、掲載してきましたが
この6つの要素と友に考慮しなければならない問題があります
それは1つは、これらのことは全て分かっている、そしてそのことを考慮して、食品の製造を行っている。しかし、人は絶対ではありません!
同時に機械も絶対とは言い切れません
要するにその製造に関わっている人や関連する機器類の持つ限界です
先に、話しておかなければならないこととして
一般的に食品は以下のようなルートを持って消費者の手元に届きます。
これはあくまでも簡素化しての内容ですが
生産者→製造企業→問屋→小売業者→消費者
すべてのものはその流れの中に存在し
以上の外に付け加えるのであれば、包材メーカー、印刷企業、倉庫企業、配送企業、が存在します
このすべての企業においてと同時に消費者のお宅に置いても、調理をする人と食べる人(調理をする人を含む)が存在します
この連続、いわゆるお互いのリレーの中で食品は存在し
このリレーのバトンタッチがどれだけうまく、確実におこなわれるかも非常に大事な課題です
これらのすべての流れの中で、もし完全にその有害性問題について認識され、そのことに対する制御機能が働いていたとしても、実際には「人はミス」を犯し、「機械は誤作動」を起こします。
絶対はどこにも存在しません!
しかし本当にすべての有害性が知識として認識され、そのことが製造、調理に果たして生かしきれているかという問題もあります。
そのためにHACCP(ハセップ、人によってはハシップと呼ぶこともありますが)
ハザード アナリシス クリティカル コントロール ポイント(危害をあらかじめ予想し、それに対しての重要管理店を決めて管理する方式)が、最初はアメリカの宇宙飛行士のための安全性確保のために作られ、導入されたのがきっかけで一般に広まったものです
このしくみを導入されて来たりしました。
しかし、実際には問題が起こっているのです
それは危害を想定しきれていないこと、そのための知識の限界もあり、そこに存在する組織のモラルの問題もあり、先ほどの人によるミス、機械の誤作動などの様々な要因が存在しています
また、その知識の問題ですが、それはあくまでも今のその時点での科学の到達点によるものですから、解明されていないこともまだまだ、いや無限にあると思います
そのことで言えば、O157が果たして野菜の繊維の中に入り込むものなのかということもありましたし、BSEが人に影響するものなのか、人のクロイツフェルトヤコブ病との関連性などもありました
最近では新たに鳥インフルエンザ問題、新型インフルエンザ問題などもここに入るでしょう
そして、まだわからないことが遺伝子組み換え食品による将来の影響などもあります
このように食品の有害性とその発現に於けるメカニズムに関わる内容については多くのことがあるということだけでも認識をしていただきたいと思います
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