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院内感染 [微生物危害]

帝京大病院での院内感染がこのところ頻繁にニュースが流れている

どうも、内部の細菌検査室と感染制御担当がきちんと配置されず

連携も取れていなかったことが明らかになって

病院内の院内感染に対する対策が整備されていないことが浮き彫りになってきている

これはもしかしたら、その他の病院にもいえることなのかもしれない

今日は通院日で、いつものようにマスクをし、病院を出る直前にはきちんと手洗いをして帰ってきたが、この様な自己防衛をしている人は、おそらく微生物を専門としている人間しかしないだろう

自己防衛というだけじゃなく、コンサルタントとして言っている企業に拡散させないために、やっていることでもあるが・・・

 

「病院だから大丈夫」 と思われている方が多いと思うが

実は、病院と言っても微生物の専門家がそう多いわけではない、それぞれが専門化しているため、自分の担当している科については分かってもそれ以外は・・・と言う医師も多い

だから病院に言っても、非常に危険なことがされている場合も見受けられる

もちろん、診療にかかわることについては分からないけど、通常の通路やトイレや一般の人が普通に利用する場所ではあるが、もし自分が言っている企業であれば、すぐに変更させるであろうと言うことがされている

これらの多くは、保健所などと見解が分かれることであるため、余談として診察時に話しても、それ以上のことについてはなにも言っていない

ただ危険と思われる場所がある

 

ところで今回の「アシネトバクター」であるが

いろいろと情報が出ているため、すこし整理して情報提供しておきます

 

【アシネトバクター】 

アシネトバクター( Acinetobacter )は、土壌や水の中によく見られる細菌です。

医療従事者など、健康な人々の皮膚にも見られることがあります。

アシネトバクター属(genus Acinetobacter )には、病原性のあるいろいろな"種(しゅ:species)"が属していますが、アシネトバクター-バウマニ( Acinetobacter baumannii )という"種"による感染例が、アシネトバクター感染症の報告例の約80%を占めます。

アシネトバクターは、病院内にも存在して、ときとして、院内感染、日和見(ひよりみ)感染を起こすことがあります。日和見(ひよりみ)感染とは、体力・免疫力に問題のない人では病気を起こすことがほとんどないような微生物が、体力・免疫力の弱まった人に感染して病気を起こすような場合を言います。

入院患者には、体力・免疫力の弱まった人が多いので、院内感染では日和見(ひよりみ)感染が多いです。旅人はその日の日和(ひより)を見て晴れなら出発、雨なら今日も宿で雨宿りと決めたりします。

日和見(ひよりみ)感染の微生物は、その時の人の体力・免疫力を見て、問題のない人に対しては静かにして、弱まった人に対しては襲いかかっているようにも見えます。
 

アシネトバクター-バウマニによる肺炎が病院以外で発生することは少ないですが、アルコール依存症患者、喫煙者、慢性閉塞性肺疾患(COPD)患者、糖尿病患者、肺がん患者、腎不全患者、肝硬変患者、高齢者などで見られることがあり、致死率は40-64%と高いと言われています

咳・発熱・呼吸苦で発病し、急激に呼吸不全・ショックへと進み、敗血症ショックや多臓器不全などで死に至ることがあります。

アシネトバクター-バウマニは、暖かく湿っぽい環境を好むとされ、アシネトバクター-バウマニによる肺炎の発生は、熱帯・亜熱帯の国(オーストラリア・クウェート・トルコ・台湾・タイ・パプア-ニュー-ギニア)で多く、また、暖かい季節(北半球では4-10月)に多いです。
 

また、アシネトバクターが健康な人々の皮膚等で保持されている率も季節にも差があり、このたびの猛暑も影響しているのではないかと思います

 

近年、アメリカ合衆国におけるアシネトバクター-バウマニ感染症患者において、イラクやアフガニスタンで戦った帰還兵が増えているとのことです

病院に搬送される前に野戦病院で応急的な処置を受け、野戦病院内でアシネトバクター-バウマニを得た可能性も指摘されています


アシネトバクター感染症には、肺炎、敗血症、尿路感染症、髄膜炎、創傷・火傷の感染などがあります。アシネトバクターによる肺炎の症状としては、発熱、悪寒、咳などが見られます。一方で、傷口や気管切開の部分に、存在していても、何の症状も起こさない場合もあります。

多剤耐性(multidrug resistant : MDR)のアシネトバクター感染症の治療は、病巣から分離されたアシネトバクターに有効な抗生物質を使っての治療が原則となります。

感染が確認されたアシネトバクターは日本で利用可能な一部の抗菌薬(ミノサイクリン、イセパマイシン)で治療が可能ですが、他のほとんど全ての抗菌薬に耐性を示しています。
  

少なくとも25%の健康な人が、アシネトバクター属(genus Acinetobacter )の細菌を皮膚に保持しています。特に湿りがちな場所である、わきの下、股間、足指の間などに保持しています。健康な人の口の中や気道から検出されることも、ときに、あります。しかし、入院患者以外で、皮膚以外の場所からアシネトバクター属の細菌が検出されることは通常は少ないです。


予防のためには・・・手をよく洗うことは、予防のために役立ちます。

アシネトバクターは、通常、70%エタノールや50%以上の濃度のイソプロピルアルコール等のアルコール系消毒薬により死滅すると言われています。

空気がアシネトバクターで汚染してしまうことがありえます。あるアシネトバクター感染症の集団発生では、加湿器がアシネトバクターで汚染していました。加湿器から10メートル離れた場所の空気からもアシネトバクターが検出されたとのことです 

加湿器などの洗浄も非常に重要ですね

 

このように微生物制御の基本は手洗いです!

手を洗いすぎて逆に黄色ブドウ球菌の発生も起こりえますから、しょっちゅうと言うことではなく、病院内、病院の帰りなど、ポイントを定めて効果的な手洗いをしましょう。

(情報は横浜市衛生研究所の資料を参考にさせていただきました)


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