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そもそも安全な農薬というものはない! [化学物質]

今回の研究成果は似た内容のものであるが

それぞれのひとつの統計学的な結果であり、まだその原因と考えられる物質の体内における化学的機序を解明した結果ではない

ただそのことを前提としても、有機リン系農薬における子供のIQへの何らかの関与を仮説だてる結果となっていることに間違いはない

そもそも「農薬」に安全というものは存在しない

それ自体、殺虫目的であったり、殺菌目的であったり、除草目的である以上

そもそもの生まれは生物を殺すことを目的としたものである

 

しかし、人への影響を考えた際には虫や微生物、植物とは違いがあることも確かであり、すぐに同じ量で影響が及ぶものではないことも事実ではある

ただそのことを差し引いても物質によっては体内残留性の問題、排泄との関係などもあり、急性毒性はなくても、慢性毒性が考えられる物質もある

 

クロルピリホスは日本でも広く使われており,リンゴやナシのアブラムシ,ハマキムシ,シンクイムシ,樹木のアメリカシロヒトリなどに適用されています。

また,殺虫剤としてゴルフ場で使用されたり,住居の防蟻剤やシロアリ防除剤,家庭用殺虫剤や防虫畳としても広く使われています。

日本におけるクロルピリホスのADI(1日 摂取許容量:人間がある物質を一生涯にわたり摂取しても,現在の毒物学的知見からみて,何ら障害の現れない最大量)は体重1kgあたり1日 0.0015mg。日本における使用量は近年少なくなってきてはいるとされるものの,中毒事故などの被害報告は多く,97年に発表された国民生活センター の「シロアリ防除剤の安全性」の中では,クロルピリホスによる事故件数が一番多かったと報告されています。

このため日本においても使用は制限されているものの、使用禁止とまではなっていない状況です

最近、この名前を聞いたのは、確か中国の餃子事件だと思います

日本における農薬はもともと自然界に存在しない化学的な物質が中心であり、その残留による消費者だけでなく使用による生産者自身とそこから拡散されることによる周辺への直接的な人体リスクとともに、環境・生態系への影響とそれらからの間接的な人体リスクなどがあります。

経済性や効率だけを追求した大量生産、専作化と市場開放と言う外圧の中で、農薬をはじめとする化学合成物質の使用は生産性だけの側面からは飛躍的な発展を遂げた部分があります。

狭い国土での生産性の向上は日本農業にとって重要な課題ではあっても一面的な課題追求は化学物質による汚染問題、農業の生産者間格差の助長と更なる後継者問題、地力の低下、自給率の低下等の新たなリスクを生みだし助長しました。

これらの問題は単に農業従事者や農業分野の問題ではなく、その裏には消費者の生活様式の変化、多様化の中で消費者の意識とは別に結果として消費者自身が求めた側面もあったことも否めません。

このような中で農薬に対する取り組みは単純な否定では構造的に削減できるものではなく、人が病気になった時に薬を飲むのと同じように農薬の持つ有用性等も評価をきちんとした上で、

今の状況を前提として堆厩肥や稲わらなどの有機物を利用した地力の維持培養や適地適作、栽殖密度の低減、他品目生産による輪作体系の確立、農薬に頼らない農法やこれら農法の組み合わせと言う農業だけの範囲を乗り越えていくことが大切です

このクロルピリホス以外にも変異原性などの性質を持っているものが多く認められています

一般的には変異原性はガン化の可能性を疑われますが、遺伝子が変異する性質であり、それによって単純に普通の細胞がガン化するだけではなく、他の変異が起こりえるということも十分に予想されることです

これらのことを前提として

農業の経済的活力、農村社会そのものを支えることが将来にわたって持続可能な農業であり、そのことが日本の消費者の食の安全を守るという視点から農薬についても取り組み、消費者と生産者がともに互いの要求を出し合い、相談し合い、それに基づいた実践をしていくことがこれらの問題解決の最も大切で確実な道筋であると考えます。

 

 

 


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