リスクとベネフィットはセットもの [食の安全、安心]
<strong>【ビタミンE】は「微生物のサプリ百科」に記載していますが</strong>
<strong>生理作用 </strong>
●生殖機能の正常維持
●筋肉の萎縮を防ぎ、働きをよくする
●ビタミンAとの共存でその酸化を防ぐ<strong>不足症</strong>
●未熟児の溶血性貧血
●脂肪吸収障害に伴う深部感覚障害や小脳失調等の神経症状<strong>過剰症</strong>
●余分なものの半分以上が便尿中に排泄され、一部が脂肪組織、肝臓に貯蔵され多価不飽和脂肪酸や酸化した脂肪、油脂に触れるとすぐに使われてしまい数日で体からなくなってしまい、過剰症は基本的にありません
●ビタミンEオイルの場合4000~30000mgで吐き気、下痢等の報告<strong>主な給源</strong> 小麦胚芽油、綿実油等の植物油、卵黄、バター、豆類
<strong>食品添加物</strong> dl-αトコフェノール、d-αトコフェノール、d-γトコフェノール、d-σトコフェノール、ミッ クストコフェノール
<strong>その他情報</strong>
●γトコフェノールに抗がん作用があるのではないかという研究が多く報告されています。反対にαトコフェノールの単独過剰摂取がγトコフェノールの作用を抑制する可能性が報告
●不飽和脂肪酸、エストロゲンはビタミンEを減少
●糖尿病、高血圧、リューマチ性心臓病、甲状腺機能亢進症のヒトが最初から大量摂取すると血圧が上昇
●リューマチ性心臓病は心臓の左右房にインバランスがあり、ビタミンEはそれを増大させる
●鉄剤との併用は効果を相殺してしまうため、8時間以上の間隔をあける必要
●代謝性医薬品の「ワルファリンカリウム」との併用はビタミンEに高血液凝固作用があるため副作用が出現し、出血傾向となる
●疫学的には400mg以上のサプリメントは心疾患に効果報告がある
●(米国栄養評議会)NOAEL1200mg、LOAEL不確定
これまでのビタミン類にしても同じですが、必ず不足症があれば、過剰症があります。
「○○にいいから」といって、それだけを摂取すれば、水溶性のものは比較的排出されやすいですが、脂溶性のものは体内にたまりやすく、結果として過剰症を招くこともあります。基本的に成人でビタミン類の平均的摂取はできています。ですから無理に摂取することは過剰症を招く恐れもあり、サプリメントとしての使用は、十分にご自分の食事状況からの判断と、医師による判断をされるよう注意してください。
<strong>特にご病気で医薬品を摂取されている方は、禁忌作用のあるものもありますので十分な注意が必要です。</strong>
このように前立腺がんについての研究報告は特に見受けられず、
今回の研究は新しい知見に基づくものだとは思いますが、いずれにしてもそのものだけで何とかしようということ自体に問題があります
リスクとベネフィットは常にセットであります
それは人間、動物すべてのものが絶対的存在ではなく、相対的であるが故であり、これがいいということはどこにも、何にもありえません
ただここでも記載しているように、抗がん作用が一部で認められても、過剰摂取、継続摂取によってそれは否定されさらにはリスクを高めることは、十分に考えられます。
サプリメントは、全体を否定はしませんが、常にリスクを背負っていることも十分に認識を指定おくことが必要でしょう!
危ない健康食品&民間療法の見分け方―それでもあなたは信じますか!
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